いろいろぶろぐ

いろいろ書き連ねていきます。

ホットミルク

なぜか眠れない。小さいときから、そんな夜が年に1、2回くらいあった。

早く眠らなきゃ、と意識しすぎるとかえって目が冴えてしまう。

まだ明かりのついているリビングに向かう。

 

いつも早寝早起きにうるさい父が、黙ってホットミルクを作ってくれた。

温かいミルクにはちみつを少量。

私はそれを受け取り、はちみつがしっかり溶けるように混ぜ、そっと口に運ぶ。

一気に身も心も温まって、落ち着いた気持ちになる。

牛乳を熱したときに出てくる薄い膜の口当たりが少し嫌だった記憶もある。けれど、ホットミルクを飲み干して口をゆすいだ後は、もう寝られる状態になっていた。

心が安心しきって、むしろもうすでに半分寝ているような、そんな感覚。

 

ひとり暮らしを始めて、ある程度自分のことは自分でできるようになった。なかなか眠れない日も、もう自分でホットミルクを作れる。

自立を感じつつ、安心できる昔の思い出のなかで、今日も眠りにつく。